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北側道路のメリット

不動産業者のウェブサイトなどでは、「北側道路の土地にはメリットがいっぱい」というような謳い文句をよく見かけます。

通常、北側道路の土地は、南側に家があると日当たりが悪くなるため、南側道路の土地に比べると人気がありません。

しかし、不動産業者からすれば、立地や広さ等の条件はいいのに、北側道路の土地というだけで候補から除かれてしまうと商売になりません。

そこで、北側道路の土地でも魅力を感じてもらうため、そのメリットをアピールすることになります。

北側道路の一番のメリットは価格です。人気の南側道路の価格は高くなりがちですが、それに比べると北側道路は人気が劣るため、価格が安くなるのです。これは南側道路にはない大きな魅力でしょう。

さらに、メリットの一つとしてプライバシー確保の面で有利ということが挙げられます。リビングなど日の当たる南側に大きな窓を設けたときに、通行人など道路側からの視線がないため、プライバシーが保ちやすいというものです。

南側道路だと、通行人の視線が気になるため、南側リビングのカーテンやシャッターは閉めっ放しとなり、部屋が暗くなるということを南側道路のデメリットにして、北側道路の方が有利であるということも言われています。

しかし、プライバシーに関する北側道路のメリットについては、甚だ疑問です。確かに北側道路の土地で南側に建物があれば、南からの通行人の視線はありませんが、南側建物の窓の配置によっては隣家からリビングが丸見えとなることもあり、南側道路と同様の配慮が必要です。

また、南側道路の土地であっても、南側のリビングの窓やシャッターを閉めっぱなしにして暗くなるということは考えにくいです。確かに、南側道路からの視線を遮るためにはカーテンを閉めますが、日光を遮るような分厚いカーテンではなく、レースのカーテンを閉める程度でしょう。日光の反射により日中は中の様子が見えないレースカーテンであれば、日照やプライバシーはほとんど問題になりません。逆に、北側道路の土地であっても南側の建物からの視線はあるのでカーテンを開け放ち、リビングが丸見えの状態にはできないでしょう。

北側道路の土地でも南側隣家との距離を取るため庭を配置するなどして、十分な日照を確保できれば問題はありません。ただし、そのために余分に広い敷地を確保する必要があります。

南側道路か北側道路かという選択は、詰まるところ、日照の確保にコストをかけるかどうかという問題になります。


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