man and woman sitting on brown leather couch

老後移住のリスク

定年後、子供も巣立ち、長く住んだ郊外の戸建てからコンパクトで利便性のよい都会のマンションへ住み替えることが増えているようですが、様々なリスクがあります。

慣れ親しんだ郊外の住まいから全く環境の異なる都会のマンションに引っ越すと、精神的に大きなストレスがかかり、不安、抑うつ、不眠、依存症、引きこもりといった不調をきたすことがあり、これらはリロケーション・ストレス・シンドローム(Relocation Stress Syndrome(RSS))やトランスファー・トラウマ(Transfar Trauma)と呼ばれています。

定年を迎えた男性に多いようですが、定年までは仕事や子育てに忙しくやりたいことも我慢してきたが、老後は自然豊かな田舎で好きなことをしてのんびり暮らしたいと地方移住を考える人が増えてきます。定年を機に、田舎に移住し、カフェや趣味のお店を開いて地元の人たちと楽しそうに暮らしている夫婦をテレビなどで特集していたりもします。

しかし、現実は思い描いていたものとは違い、これまでとは環境が大きく異なる田舎の生活に戸惑い、不便な生活に馴染めず、たちまち調子を崩してしまう人の方が多いのではないでしょうか。

また、年を取ると身体機能が衰えて、ケガや病気をしやすくなります。いつまでも現役時代のように生活できませんし、自分やパートナーが重い病気にかかったり介護が必要になった時には、田舎暮らしでは途端に日々の生活に支障が出てしまいます。

また老後は利便性の高い都会のマンションへ住み替え、毎日アクティブに暮らすというのは、悪いことではありませんが、これも大いに慎重になるべきです。やはり住み慣れた郊外の環境から都会の暮らしに馴染めずRSSになってしまうルリスクが高いです。

郊外に暮らしてきた人は、定年後地方の田舎暮らしや都会のマンション暮らしに憧れるかもしれませんが、住み替えを引き金とするRSSや身体の衰えによるケガや病気を現実的なリスクとして認識し、老後の生き方を考える必要があるでしょう。


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